へっぽこVSシリーズ第3弾「サイゾーVSデューテ」(中編)
※前回「後編へ続く」って書きましたが、長くなったので急遽「中編」に変更です。(謝)
ここはリゲルの森。
その森で、闇にまぎれて動く影がある・・・。
そろそろ『しつこい!』って文句来るころだろう。
というわけで今回から省略ね!
「お、おい、ちゃんと前振りさせろよ。」
「却下!」(by第3の主人公こと晴子さん)
--ここからマジメにいきませう--
夜も寝静まったころ、少女は不意に目が覚めた。
「・・・? ここ、どこ?」
目の前にはうずくまった状態で寝息を立てる1人の男。
そして、敵意を持った眼差しで自分を見る数人の男たち。
「目が覚めたようだな」
「おじさんたち、誰?」
「そんなことはどうでもいいさ。どうせ、お前はここで死ぬんだからな!」
「死・・ぬ・・・? なんで? 私、何かしたの?」
「お前に直接うらみは無いが、アルム軍にいたのが運の尽きってヤツだな。」
「アルムお兄ちゃん? ・・・あっ、そっか、おじさんたちは負けちゃった生き残りなんだぁ。」
「・・・まずはそのへらず口を言えないようにしてやるか」
と、男の1人が剣を抜き取り、デューデの腕に斬りかかった。
デューテの腕から血が吹きだす。
「っ・・・、痛いっ! 痛いよぅ・・・。」
「すぐには殺さないさ。死んでいった奴らの恨みを込めて、少しずつ痛めつけてやる!」
そして、男たちは次々に少女に斬りかかる。
そのたびに少女は悲鳴を上げ、身体から鮮血が飛ぶ。
・・・
「・・・そろそろ楽にしてやろう。感謝するんだな。」
と1人が剣を振り上げる。狙いは・・・少女の首!
「死ね!」
と少女に斬りつけようとした・・・が、その刃が届くことは無かった。
「イヤぁーーーっ!」
その時、少女は本能的に死の恐怖を感じ、あらん限りの力で叫んだ。
そして突然、少女の周囲に光が満ち、それが螺旋となって上昇していく・・・。
「ぐわぁーーーっ!」
「な、なんだこの光は?」
「か、体が、焼か・・・れ・・」
男たちは光の螺旋に巻き込まれ、苦痛に顔を歪めながら倒れていく。
そして・・・苦悶の表情のまま、絶命した。
「う、うう・・・なんだ? 今の光は・・・」
だが、1人だけ無事だった男がいる。サイゾーだ。
サイゾーは少女が力を発動したとき、少女のすぐ近くにいた。
その位置がちょうど『台風の目』のようになっていたので偶然助かったのである。
そして、その光の眩しさで目が覚めたのだが・・・。
「・・・これは?」
「・・・そうか、部下に眠り薬をかがされて眠ってしまったのだったな。」
「!! しまった! 少女は無事か!?」
と周囲を見渡す。だが、その目に映った光景は奇妙なものだった。
小屋の中には傷一つ無く倒れている部下。
自分のすぐ近くには血まみれになって倒れた少女。
そして、少女の近くにはおそらく少女のものと思われる血。
「これは・・・」
だが、サイゾーは冷静だった。
素早く少女に近づき、息があることを確認すると同時に、傷の程度を調べる。
「よし、致命傷は無い。これなら命に別状は無いだろう。」
と、素早く応急処置を施す。
そして、部下の状態を確認したのだが・・・
「・・・皆、絶命しているな。・・・外傷が全く無いにもかかわらず、だ。」
「それに、建物にまったく被害が無いというのも妙だが・・・。」
「う・・・。」
と、そこで少女が目を覚ました。
体を動かそうとしたのだが・・・
「・・・痛いっ!」
とうずくまってしまった。
「無理をするな。その傷ではしばらく動くのは無理であろう。」
と、サイゾーが話し掛けたのだが・・・
「・・・」
少女はおびえた目で固まってしまった。
「私が怖いか・・・。無理もない、あのような目に会ってはな。」
「だが、私はお主に危害を加えるつもりはない。・・・といっても安心はできぬだろうが。」
「ああ、そこの男どもは皆すでに死んでいるぞ。もうお前に危害を加えることはできない。」
「しかし、この男どもを殺したのはお主なのであろう? 一体どうやって・・・」
と、1人独白のように話していたサイゾー。
だが、少女のサイゾーを見る目が、途中から好奇の目に変わっていることに気が付いていなかった。
そして、少女から発せられた言葉は、実に意外なものであったのだ。
「あーっ! サイゾーお兄ちゃんだ!」
と、その言葉を聞いたとき、サイゾーの頭で何かがはじけた。
--回想モード開始--
※ここからサイゾーが2人いるので、サイゾー(幽霊)とサイゾーで区別して読んでください。
「(幽霊)」が無ければ過去のサイゾーということです。
気が付くと、サイゾー(幽霊)は見覚えのある場所に立っていた。
(? ここは?)
と、不意に頭の中に響くような声が聞こえてきた。
(あなたは自分の記憶の中にいます。)
(あなたは偽りの記憶を与えられてしまった者)
(これから見る光景はあなたの記憶。あなた自身の真実。よく見ておいてください。)
(誰だ?)
(私の名はティータ。少女が封印を解いてくれたおかげであなたに接続することができました)
(封印? 接続? どういうことだ?)
(また、近いうちに会うことになるでしょう・・・。)
(あっ、おい、待ってくれ!)
だが、その声は聞こえなくなってしまった。
そして、別の声が聞こえてきた。ただし、それは頭に響く声ではなく、普通の声だったが。
「あっちだ!」
「逃がすなよ! 大事な賞金首だからな。」
「この先に小屋があったはずだ。そこに追い詰めるぞ。」
それは、子供とその母親、2人の親子が逃げ回る光景だった。
しかも、その子供の方はサイゾー(幽霊)が見覚えのある人物だったのである。
(! あれはあの少女ではないか。少し小さいが間違いない!)
(・・・どうやらこの光景、最後まで見届ける必要があるようだな。)
※ちなみに、サイゾー(幽霊)の姿は他の人物には見えません。
親子は必死に逃げようとするものの、徐々に追い詰められていく・・・。
そして、いつしか一つの建物へとたどり着いた。
(ここはあの見張り小屋だな・・・)
(さて・・・、何が起こる?)
「ずいぶんとてこずらせてくれたな・・・。だがここまでだ!」
「・・・」
「どうした? 恐怖で声も出ないか?」
「・・・」
だが、サイゾー(幽霊)にはその母親が少女に向かって何かを言っているように見えた。
(もっと近づかないと聞こえないな・・・)
と、親子に近づくサイゾー(幽霊)。
「・・・デューテ、この指輪を身につけなさい。」
「・・・その指輪を身につけていればあなただけなら生き延びれるわ。」
「!? ママ? ・・・何をするつもりなの?」
「・・・ごめんなさいね・・・。」
そう言うと、母親は詠唱を始めた。
「光を司りし偉大なる神よ、我が声に答え聖なる光を我に貸し与えよ。」
「聖なる光は螺旋を描き、全ての邪悪なる者を無へ帰さん・・・。」
「オーラ!」
そして、光が螺旋となり周囲の男たちを飲み込んでいく・・・。
(! この光はあの時と同じ・・・)
「ぐわーっ!」
「ぎゃあーっ!」
と、男たちは悲鳴を上げながら倒れていった。
だが・・・、
「ママー! ママー!」
「・・・やっぱり、力を使いすぎたみたいね・・・。」
「ママー! 死んじゃやだよー!」
「・・・もうママは助からないわ。」
「だから、ママは指輪の一部となってあなたを見守ろうと思うの。」
「・・・ママ? 何を言ってるの?」
「ママは・・いつも・・・あなたの・・そばに・・・」
すると、サイゾー(幽霊)の目の前で不思議な光景が広がった。
母親の体がまぶしく光り、その光りがデューテの持つ指輪に吸い込まれたのだ。
そして、同時に母親から生気が感じられなくなった・・・。
「ママぁ・・・」
母親が死んでしまったことを感じ取ったのだろう。
これまで涙をこらえていた少女だったが、枷が外れてしまったように泣き始めた。
・・・
少女は一人泣きつづけた。
そして、そこに1人の男が現れる・・・。
(!! あれは・・・私ではないか!)
そう、そこに現れた男とは、サイゾー自身だったのである。
(・・・そうか、少しずつ思い出してきたぞ。)
(私はリゲル軍に参加する前、リゲルの森で1人修行していたのだ。)
(そして、この場に偶然居合わせたわけか。)
「!? ・・・誰?」
「私は・・・サイゾーと言う。修行中の忍だ。」
「・・・お主・・・母親を、殺されたのか?」
「・・・うん・・・ママ・・・死んじゃった・・・。」
「・・・そうか。・・・お主、1人ぼっちなのか?」
「・・・パパも・・・ママも・・・死んじゃった。」
「でも・・・お兄ちゃんが・・・いるの。」
「お兄ちゃん・・・デューテがもっと小さいときに旅に出ちゃって・・・。」
「ぐすっ・・・やっぱり・・・デューテは・・・一人ぼっちなんだ。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
沈黙がその場を支配する・・・。
だが、サイゾーが意を決して口を開いた。
「・・・よし! 今日から私がお主の『お兄ちゃん』になってやろう!」
と突拍子もないことを言い出したので、サイゾー(幽霊)はこけそうになる。
(うむむ、あのころは若かったなぁ・・・。)
だが、この一言に対して少女は・・・
「えーっ! 本当?」
と、顔を輝かせて、実に嬉しそうに答えたのだった。
「ああ、本当だ。」
「じゃあ。約束。指切りだよ。」
「指切りげんまん、嘘ついたら針いっぱいのーます。」(by雛子)
「指切った!」
そんなこんなで兄妹になったサイゾーとデューテ。
だが、そこに数人の男が現れ・・・。
「おい、ここだ。」
「さっきの光はなんだったんだ?」
「! おい、こいつは・・・。」
「!! 賞金首の女と子供!」
「ふむ、こいつらは失敗したと言うことか。」
「だが、運が良い。ここで我らが始末すれば手柄は我らの物よ!」
「・・・お兄ちゃん・・・。」
「大丈夫。約束を破ったりはしないさ。」
「ちょっと離れているんだ、デューテ。」
「・・・うん、わかった。」
「ほう、お主邪魔をする気か。命は粗末にせぬほうがいいぞ。」
「ふん、能書きはいい。とっととカタをつけてやる!」
「愚かな・・・、ならば死ねィ!」
そして、剣と剣の応酬が始まった。
しかし、数では圧倒的に不利にもかかわらず、押しているのはサイゾーであった。
「こ、こいつ・・・強い・・・。化け物か?」
「・・・最近は忍も質が落ちたな。」
「これでは父上も浮かばれまい。」
次々に男たちを倒していくサイゾー。
そして、全員を倒したかに見えたが・・・。
(おかしい・・・最初にいた人数よりも一人足りない・・・。)
(どこだ・・・)
(!! 上か!)
「遅いわ、死ねィ!」
「ぐっ・・・しまった。」
それでもとっさに急所を外したのは流石というべきだろう。
「外したか・・・だがその傷では勝負は見え・・・ぐわーあっ!」
「?」
見ると、その男は全身が火だるま状態になっていた。
どうやら少女の仕業のようである。
(・・・そうか・・・デューテは魔道士だったのか。)
(おそらく母親もそうなのだろう。賞金首とはそういうことか・・・。)
「・・・お兄ちゃん・・・大丈夫?」
「ああ、これで死んだりはしないさ。手当てをすれば大丈夫だよ。」
「・・・よかったぁ。本当に・・・よかったぁ。」
「お、おい、デューテ、泣かなくてもいいじゃないか。」
(・・・うーん、あの少女とこんなことがあったとは。)
(例の既視感の正体はこれだったのだな・・・。)
(しかし、何故これほど大切なことをすっかり忘れていたのだろう?)
すると、あの頭に響くような声が聞こえてきた。
(これは、少女とあなたの出会い。)
(次は、少女とあなたが別れなければならなかった理由をお見せしましょう。)
(そして、その背後にいた邪悪なる者の正体も・・・)
そして、サイゾー(幽霊)は急に意識が遠くなり始めた・・・。
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サイゾーと少女(=デューテ)はなんと義兄妹(笑)だった!
2人が別れなければならなかった理由とは?
そして、背後にいた邪悪なる者とは?
はたして無事に完結できるのか?(ぉ
今度こそファイナルだ。「後半へ続く!」
<製作後記>
※この色の文は作者ツッコミです。
・・・前中後になってしまった。(汗)
その場のイキオイだけで書いてますからねぇ。(爆)
後編もかなり長くなりそう・・・。
ていうか設定に矛盾がないか心配だ・・・。(けっこうヤバイ)